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2次創作小説「悩む少年、煩(わずら)う少年」【マサ京マサ】


俺は普通の中学生だ。

 

まあ、人生これまで色々とあった訳だが世間的に見たら
「一般的でごく普通の中学生」という事になるんだろうな

 

そんな普通な俺が悩んでいたのは、
悩みというほどの物でもないし
これまでそこまで深刻に考えようともしなかった事だ。

 
そう、俗に言う「二重人格」っていうのか
「猫かぶり」というのかわからないが
まぁそんな所なんだろうな。

そんな俺が今ハマッているというか
好きなスポーツがサッカーだ
自分が入った孤児院で一緒にやる仲間が多かったのも事実だが
それよりもずっと前からボールに触っていた。

孤児院に入れられてから自分では気づいていなかったが
「自分の周りを嘘で塗り固める」ようになっていたようだ

それに気づかされたのはつい最近、
雷門中サッカー部に入部してからだ。

俺はサッカーにしか正直になれなかったが
そいつらが俺の心の壁をいとも容易くこじ開けたのだ。

そこではバカ正直な奴らがバカ正直にサッカーをしていた。
最初、俺はそんなアイツらの事を多少見下していた節もあったかもしれない

今はそんな事少しも思っちゃ…少しは思ってるかもしれないな、
少しは。けど本当に少しだぞ!

それで俺は少しずつ心を開いていった。
自分以外も信じられるようになっていった。

 

それはさておき、そんな中に一人
異彩を放つヤツが居たんだ。

名前を「剣城京介」

同じ一年生だが俺とは正反対で、
いつだってクールで中々感情を表さない奴だった。

そんなところに俺は惹かれていったのかもしれない。

そんな剣城くんが最近悩み事がアルっぽい。
周りの奴らは脳天気だから気づいていないかもしれないが
俺にはすぐ解った。

チームのDFとしてFW、MFの背中はいつでもみてきた。
しかも気になっていたんだ。
雰囲気が一日の間で変わった、
普段から微笑しかしないがその笑顔にも陰りがうまれた。
これくらい解って当然だろ?

一週間くらい経っても元に戻らないので
それとなく聞いてみたがはぐらかされて終了だった。

その後も果敢に尋ねてはみてはいるが感づいた事に感づいたのか
ヒラリと躱(かわ)されたりはぐらかされたり
最終的には「お前には関係ない」だぞ?
酷(ひど)いと思わないか?

折角人が心配してやってるのに…

こういうのが「ありがた迷惑」ってやつなのかな……


まぁ、これ以上聞いても拉致(らち)があかなさそうだから
明日は思い切ってみるか